『不吉なことは何も』フレドリック・ブラウン
おすすめ度: ★★★ (3つ星が最高点)
『真っ白な嘘』に続くフレドリック・ブラウンのミステリー短編第2集。
フレドリック・ブラウンの魅力は、ユーモアあふれる洒脱な会話、一瞬にして場面を一転させてしまう切れ味抜群の一文、謎解きの面白さと絶妙な結末。
長編にしてもおかしくないほどの豊富なアイデアと予想不可能なプロットを惜しげもなく短編に注入している。
どの作品もはずれはないが中でもお勧めは、饒舌な保険外交員が誘拐事件に巻き込まれ大活躍する『生命保険と火災保険』、天性のスリ師が窃盗脅迫症の男に出会う顛末を描いた『ティーカップ騒動』、作曲家の家に呼び鈴を鳴らした猫が潜り込んできたことから危険な事件に巻き込まれる『サタン一・五世』。