本のソムリエ

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『狼の怨歌』平井和正

 

狼の怨歌【レクイエム】〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)
 

 

おすすめ度: ★★★  (3つ星が最高点)

『狼の紋章』に続く2作目。

  前作で死亡したと思われていた大神が生きていた。大神は、不老不死の研究に勤しむマッド・サイエンシストの人体実験の材料として囚われの身になっていた。

 

  一方、ジャーナリスト神は、CIA、中国諜報機関の双方から付け狙われる。CIA、中国諜報機関もまた、不老不死の秘密を巡って争奪戦を繰り広げていたのだ。大神が生きていることを知った神は同じ狼人として、大神を助け出すことを決意する。こうして、神、CIA、中国の諜報機関が三つ巴となって壮絶なバトルを繰り広げる。

 

  CIAの冷血な強者・西城、中国諜報機関の女性スパイなど魅力的なキャラクターが数多く登場し、外連味たっぷりの戦いは手に汗握る。

  「人間こそ悪魔ではないか」との問題提起は、永井豪の名作『デビルマン』と共通する。